お点前をするのに、必ず必要な、水指というお水を入れておくお道具がある。
お茶を点(た)てる時に、お湯の温度を調整したり、点てた後に減ってしまったお釜の中のお湯を足したり、お茶碗を片付ける前に軽く濯ぐために、この水指を使う。
水指にはいろいろ形はあるが、一般的に筒状の陶器に塗りか、陶肌と同じ蓋がついたもの。
極暑の最中、お茶席で涼を演出するために、いつもの蓋にかわって葉っぱを蓋代わりにする「葉蓋」というお点前がある。
水滴をしたためた緑の葉っぱは、なんとも風流で、クーラーのないお茶室に涼風が吹きぬける。
この「葉蓋」に使う葉っぱは、青梶。
この葉っぱは、昔、宮中の歌詠みに使われていたものらしい。
というのも、青梶は水分を吸収する性質を持っており、墨でもって文字を書くことが可能な植物なのだ。
昔の平安時代?の雅人たちは、七夕祭り、真夏の川あそびで歌を詠み、それを流して遊んでいたのだそう。優雅でございますことねぇ~
というわけで、夏の葉っぱと言えば、この青梶が最も風流というわけ。
このお点前を年に一度行うために、大先生のご自宅お庭には青梶が育てられている。万が一、当日先生のお庭の青梶が、虫食いになっていたり、猛暑でシオシオになっている可能性もある。そのため、お弟子たちも青梶を探してこなければならない。
お庭のないマンション暮らしの人にとっては酷な事。
今回は免除してもらえたのでセーフだが、
最悪の場合、近所の茂みを物色して、葉っぱ探しの旅をする羽目になる。。
でも、このような格好悪い努力が、日々とってもとってもお勉強になっている。こんなところに、こんな植物が生えている、など茶道を始めるまでは目にも入らなかった。
大袈裟な言い方かもしれないが、一つの道を志したことで、世界をみる視点がガラリと変わった。
これまで幼少期より学んできたことと、自分と共に存在する世界が、茶道という呼び水のおかげで、じわりじわりと繋がり、広がっていく。
心から思う。茶道ってファンタスティック!
投稿者 sawacoo : August 10, 2004 09:25 PM | トラックバック