11月最初のお稽古日は、お弟子さん全員が集まって炉開き。
茶道では炉の開かれる11月が一年の始まり、お正月。
だから着物も、茶席において、正装にあたる色無地(絵柄のない着物地に家紋が刺繍された格の高いもの)を着る。
そして、大先生が一番初めに、炉の開かれた茶室でお点前をなさる。
大先生のお点前を拝見することができるのは、一年のうちでこの炉開きの時、一度だけ。
貴重な貴重な日なのである。
緊張した30分弱の時間が過ぎたら、ふっと場の空気がやわらかくなり、次々と皆で順番にお茶を一碗ずつたててゆく。
この時に必ず出されるのが、こちら。亥の子餅。
宮中行事に由来しているこの風習は、旧暦の10月、最初の亥の暦、亥の時間(午前9時~11時)に、無病息災を願ってこの亥の子餅を食べる。
なぜイノシシなのか?
イノシシは子供をたくさん産む動物。
安産祈願・子孫繁栄と結びつけて考えられ、古くより縁起がよい動物とされてきた。
今年収穫できた穀物(米・黍・小豆・胡麻など)を使って、イノシシの子供を思わせる丸っこい素朴なお菓子が作られる。
これを頂きながら、無病息災、この一年また新たな気持ちで茶道のお稽古に邁進できますように、と新年の誓いを心でつぶやく。