遅ればせながら1月9日、稽古初めのご報告です。
茶室には新年にふさわしいお道具が誂えてあります。
床の間には「結び柳」といって、六角柳を大きく結んだものが掛軸の横にかけられています。
旧年と新年を無事に結んでゆくという意味の、おめでたいお正月飾りです。
今年の帛紗と御扇子。
酉年にちなんだ、美しく、かわいらしいお道具がたくさん並ぶなかに、兎のお茶碗もあったのでなぜだろうと、考えてみる、答えは出るわけもないが。
後で他の方に伺ったところ、向かい干支といって自分の真反対の干支(7つ先の干支)は自分とは正反対の性質をもっている守り干支とも呼ばれ、人間同士の相性も向かい干支の人とはとても良いし、向かい干支の置物を置くことはゲンかつぎになるとのこと。
そう言われてみれば、酉年の私、大先生は兎年、母親も兎年だ、2人とも私のことを守ってくれているなぁ~、大納得です。
さて、この日のお稽古で使っていたお香合がとても興味深いものでした。
御銘は、「翁の能面箱」。
能には、おめでたいお正月、年に一度だけ舞われる「翁」という曲があります。
「翁」は古来から「能にして能にあらず」といわれ、天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈る祈祷のかたちを表現した、他の曲とは別格として扱われている曲。
この曲はいろんな意味でとても特殊で、普段ならば楽屋に置いてある能面箱が、舞台の上に登場してきます。
曲中に、この能面箱から取り出した翁の面をつけることで、大夫(シテ)が人間から神へと変身し、神の舞いが始まる、といった流れです。
この曲の大切な小道具である能面箱を、香合として小さく手のひらサイズに作ったものを、お正月のおめでたい茶席に誂えたというわけです。
この香合を見て、「わぁ、おめでたいですね。今年は世界が穏やかで豊かな年になってくれればよろしいですね。」とすぐに応じられたら、かっこいいな。