藤田についての予備知識→
乳白色の美女。
猫、動物。
レオナール。カトリック改宗。フランス帰化。
東京美術倶楽部での鑑定依頼価格が黒田清輝など、他の画家たちは6万円なのに、藤田嗣治の作品に限り8万円なこと。
なんとなく、特別な芸術家なんだなぁ…と感じていた。
「ツグジ」じゃなくて「ツグハル」。
国立近代美術館で開催中の「藤田嗣治展」。
彼の画家人生をスライドショーで見るように、たくさんの作品が順を追って展示されている。
面相筆(めんそうふで)で書かれた細い輪郭が美しい、乳白色の女たちの絵は、キャンパス地の色が透けて見えそうなほど薄塗りで輝きを放っている。
背景の黒も、平面的だからこそ、その奥行きに様々な表情を見てとることができる。
エコールドパリ時代から色彩の中南米、日本回帰、戦争画、宗教画、そしてパリ晩年…と辿ってみれば半日でも費やしてしまうほど。
で、私はこの展覧会で藤田という人の人生に触れた、から感動しているわけではなく。
寂寥、貧しさ、憧れ、享楽、疎外感、好奇心、望郷、諦念、怒り、信仰、慈愛、希望…痛々しいほど顕わになっている1人の人間の感情(それが私個人的体験として既知のもの、未知のものに関わらず)に触れることができたということ。
そして、その感情に正面からぶつかり、怯むことなくキャンバスに向かいつづけた藤田嗣治という人の存在を知り得たこと。
この2点において、激しく感動。とっても素晴らしい展覧会だったと思うのです。
会期は21日まで。
投稿者 sawacoo : May 15, 2006 12:00 AM