秋の訪れを水引の花で表現した繊細な上生。
「ミズヒキ」という花をご存知だろうか。
タデ科の植物で、とっても小さな花が穂にプチプチついている。
このお花の名前の由来は、この「ミズヒキ」の花が上から見ると赤色で、下から見ると白色なので紅白の水引に似ていることから。
ここ数日のうちにぐんと気温も下がり、雨垂れと共にいよいよ夏も往こうとしています。
この夏は、お陰様でたくさんの涼感あふれる和菓子たちに出会い、暑さをめいっぱい満喫することができました。
special thanks ! 和菓子と wa-gasi.net をめぐる全ての方たち。
今週末の浴衣ざらいのお茶会を境に、秋の和菓子へ切り替える予定でしたが、この気候もふまえて、少し早めることに致しました。
8月25日より、wa-gasi.net は「秋」の趣向で、改めてスタートさせて頂きます。
お月見、収穫盛り、紅葉‥‥などなど、一年のうちで最も情緒深き季節がやってまいりますね。
お茶の世界でも、茶事・茶会が最も多く開かれる時期。
皆様それぞれがお持ちの、秋の楽しみ方。その選択肢を、一つでも増やすことができれば、などと差し出がましくも意気込んでおります。
情報アクセスビリティ、HPデザインの向上、コンテンツの充実等、目下課題として取り組んでおりますので、気長にお付き合い頂ければ幸いです。
今後とも変わらぬご愛顧の程、よろしくお願い致します。
どうぞ皆様、季節の変わり目ですのでお風邪など召されませぬようご自愛下さいませ。
かしこ
夏の終わり、塩瀬総本家「ほおずき」。
和菓子ではないけれど、お茶席菓子として使える洋菓子等も、「準和菓子」として紹介していきたいと思う。
本日は暇をしていたので、近所に住む友人と散歩へ。
マダムな品々が揃う、恵比寿三越2Fを散策中、こちらを発見。
かわいらしい雑貨が並ぶお店の奥に、ベルギーチョコレートLEONIDASのプラリネショコラたちが美しく並んでいる。
その脇に、色鮮やかにならんでいたフルーツジェリー。
試食をくださったので味わってみると、みずみずしい果物の香りが口に広がる。柑橘系のミカンやパイナップルは、お抹茶よりもダージリンの方がマッチするが、洋梨、青りんごはお茶菓子としてイケル!
そして気に入ったのが、もともと2つに分かれたジェリーがくっついているので、手で簡単に半分にして頂けるということ。
美味しいお菓子を、美しく食べて欲しい、という菓子職人さんたちの思いは万国共通のようだ。
今日のお稽古に使ったお菓子がこちら。
中央区佃にある菓子司、二葉屋の「佃もち」。
空にぽっかり浮かんだ雲を思わせる、やわらかい乳白色の求肥に、真夏の太陽色をした杏子が散りばめられている。
柔らかい、とはこういうことか!と感動できる程、柔らかな求肥。
もし空に浮かぶ雲を食べることができたなら、きっとこんなだろうな。。。
雪見だいふくの外側がもっと厚ければよいのに、と一度でも思ったことのある方は是非!
上野の東京国立博物館にて開かれている、万国博覧会の美術展へ行ってきた。
一つ一つ、恐ろしいほど価値の高い名品たちが、ゴロゴロと展示されている。
「世界の名品と呼ばれるもの」というただ一つの理由で集まってきているので、展示にストーリー性、まとまり感があまりない。
こういう展覧会での楽しみ方は、とにかく自分のお気に入りを探す!
これだけいっぱいある中で、どれか一つもらえるならどれがいい?と勝手に設定して物色する。壷に蟹がからみついている、珍妙な一品が気に入った。
こうして、美術館、音楽会等でしばしば立ち寄る上野。
そんな時は必ず、岡埜栄泉をのぞく。
ここの豆大福は言わずと知れた人気者!
でも今日はあえて、よもぎ大福とずんだ大福。ずんだは季節限定品。
ずんだ、うまうま。甘味を極力おさえてある。
たぶん、大福はかぶりつくのがよいのだろう。
なりふりかまわず。
でも一口大に切り分ければ、来客の時にも出すことができる。
来客に無用な気を使わせないのが、もてなしの心。
いつも新しい提案で、目に口にと楽しませてくださる広尾の正庵。
いつもお世話になっている、7人家族(!)のお宅へ差し上げるお菓子をさがしていたところ、目にとまったのがこちら。
あまり高価なものは、かえって先方に気を使わせてしまう。それでも大勢で楽しんでいただきたい、となると「棹物」に限る!
包装に遊びがあって楽しい!先方の喜ぶ顔が目に浮かぶよう。
購入の際、お店の脇に用意してある枝木から緑を切って、リボンに差し込んでくれる。
何か、生きた緑を添えることで、スペシャルな贈り物という感じが増す。
箱の中には折り鶴も忍ばせてあり、小憎い演出。
ずんだ豆とそら豆をあわせたさわやかな緑色の羊羹、底地には西京味噌を使った浮島、真中にふわりと浮かぶのが、やわらかな求肥。
夏のお豆の甘味と、味噌の塩梅がとっても控えめで、軽やかな美味!
日保ちは冷蔵保存で10日、9月上旬までの扱い。
お盆休み。心も体もスローな気分。
こんな時にはプロの和菓子より、素朴な手作り食がいい。
お赤飯。
お盆にちなんで、蓮の葉に盛り付けてみる。
仏教の思想において、蓮の葉は「浄土」の世界を象徴する植物。
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」で、仏様が蓮池の葉っぱの間から地獄の様子を眺め、救いの糸を垂らすという話、ご存知の方も多いのでは。
茶の世界でも、故人を偲ぶお茶事にて、蓮の葉を器とする趣向が時々用いられることもある。「浄土飯」と呼び、白飯や向附(西洋式コースにおける前菜)が盛り付けられる。
南瓜と小豆のいとこ煮。
おぜんざい。
北海道産の大納言、香川県産の和三盆糖をゆっくり煮て、仕上げに広島県蒲刈島の藻塩をひとつまみ。
甘さに、大地の慈味がある。
明日からの通常モードに備えて、ゆったり味わおう。
和製トリュフなるものを知人から頂戴した。
和三盆がまぶしてあるあんこ玉かな、と思って口に放ったところ、真中に塩気のかたまりがはいっており驚き。
その正体は唐納豆。正露丸のような小さな黒玉が内包されている。
和菓子にも「珍味」があることを知った。
お点前をするのに、必ず必要な、水指というお水を入れておくお道具がある。
お茶を点(た)てる時に、お湯の温度を調整したり、点てた後に減ってしまったお釜の中のお湯を足したり、お茶碗を片付ける前に軽く濯ぐために、この水指を使う。
水指にはいろいろ形はあるが、一般的に筒状の陶器に塗りか、陶肌と同じ蓋がついたもの。
極暑の最中、お茶席で涼を演出するために、いつもの蓋にかわって葉っぱを蓋代わりにする「葉蓋」というお点前がある。
水滴をしたためた緑の葉っぱは、なんとも風流で、クーラーのないお茶室に涼風が吹きぬける。
この「葉蓋」に使う葉っぱは、青梶。
この葉っぱは、昔、宮中の歌詠みに使われていたものらしい。
というのも、青梶は水分を吸収する性質を持っており、墨でもって文字を書くことが可能な植物なのだ。
昔の平安時代?の雅人たちは、七夕祭り、真夏の川あそびで歌を詠み、それを流して遊んでいたのだそう。優雅でございますことねぇ~
というわけで、夏の葉っぱと言えば、この青梶が最も風流というわけ。
このお点前を年に一度行うために、大先生のご自宅お庭には青梶が育てられている。万が一、当日先生のお庭の青梶が、虫食いになっていたり、猛暑でシオシオになっている可能性もある。そのため、お弟子たちも青梶を探してこなければならない。
お庭のないマンション暮らしの人にとっては酷な事。
今回は免除してもらえたのでセーフだが、
最悪の場合、近所の茂みを物色して、葉っぱ探しの旅をする羽目になる。。
でも、このような格好悪い努力が、日々とってもとってもお勉強になっている。こんなところに、こんな植物が生えている、など茶道を始めるまでは目にも入らなかった。
大袈裟な言い方かもしれないが、一つの道を志したことで、世界をみる視点がガラリと変わった。
これまで幼少期より学んできたことと、自分と共に存在する世界が、茶道という呼び水のおかげで、じわりじわりと繋がり、広がっていく。
心から思う。茶道ってファンタスティック!
今月から灰形のお稽古をさせていただけることになった。
さっそくこちらで勉強中。
先ずは火をおこし、釜をかけ、それから初めてお点前ができる。
最初はお茶を点てるお稽古、その後、炭をくべて火をおこすお炭点前のお稽古。
炭にもいろいろ種類、太さ、長さ、形があって、そのくべ方も基本的に決まった形式がある。
炭点前のお稽古も何度もさせていただき、最近ではなんとか全ての炭にうまく火がまわっていくようにはなってきた。そこで、次のステップへと進ませて頂けることになったのだ。
新しいことを学ぶ機会を頂けて、正直、嬉しい。
とは言え、浮かれてはいられない。
年数を重ね、次第に周囲から頂戴するご指導も厳しくなってきたところなので、心を引き締めていかないと。
余談になるが、茶道を学んでいる人は、炭を使った火のおこし方がわかるので、キャンプに行くとちょっとした人気者になれる。ポイントは、風の通り道を確保すること!
「にひくら」と読む、このお菓子。武蔵野銘菓として名高い。
卵黄と白あんを合わせた黄身餡の内側には、小豆餡と丸栗。
すこし冷やしていただくと、餡がさらさらと口中に馴染んでいき、清々しい甘さが残る。
もともと甘味が苦手な人は、このようなコテコテの和菓子は敬遠してしまうかもしれないが、思い切って試していただきたい。
意外なほど素直に、抹茶とのマリアージュに感激して頂けるはず。
memo : 黄身しぐれが好きな方にとっては、このお菓子、絶品と思われます。
笹れんこんについて書いていたら、やはりどうしても会いたくなった和久傳の「西湖」。
夏の風物詩。
松屋銀座、なんだかんだこのデパートに入り浸ってしまう理由の一つが、和久傳の存在である。京都大徳寺本店の雰囲気を感じられるのは、店員さんがみな京都弁だからだろうか。
包装紙には、宋の周敦頤が花の君子なる者也と詠った「愛蓮説」が記されている(しおりより抜粋)。蓮、ロータス、おぉかくも非現実的、神秘なる美かな。
ね、開けた瞬間からテンション↑でしょう。これは普通の紙箱だが、少しお高い進物用木箱もあるらしい。木箱なら、きっともっと↑。
あまり冷蔵庫に入れすぎるのは禁物。2時間くらい冷やすのが、一番よい。
形容するならば、「蓮粉と和三盆の絡み合う甘み」「ごく上質で滑らかな舌触り」「蓮独特のねばりを生かした食感」。この3点がまず思い浮かぶ。
わかりやすく言うと、鎌倉「こ寿々」や、京都「月ヶ瀬」で作られる最高級わらび餅、この食感+黒糖に似たお味。
和菓子はたいらげた後も、美しい。
このように植物の葉をつかった和菓子が出てきたら、適当に折りたたんだ葉を茎で刺し、即席楊枝置きを作る。茶道のお仲間とお食事をしながら、見て学んだこと。
立派な日本料理や和菓子は、時に残酷なまでに、享受する者のこれまでの経験と教養を試してくる。
それを面倒くさいマナーと割り切ってしまってはつまらないので、「素敵な生活術」として一つ一つ学んで行きたいものだ。
蓮の凛とした清涼感は、なんとも言えない。
そしてその蓮の粉、葛、和三盆糖を使って創られた水菓子。
蓮の粉を使った元祖と言えば、京都紫野 和久傳の「西湖」。
こちらの笹れんこんは、それにアレンジを加えたもの。
松の葉のような楊枝が、気が利いてる。
ツルっ、サラっ、と口に溶け込む、その前に、ほんのり塩気の大納言が現れる。
ここで咀嚼を余儀なくされることで、かえって蓮粉の滋味をゆっくり落ち着いて味わうことができる。
水菓子とは言え、冷たさ、口溶けだけではもの足りない、こだわり派の方におすすめ。