あっという間に9月も終わり、制服の人たちは明後日から衣替え。
着物の人たちも一単(ひとえ)から袷(あわせ)に衣替え。
一単は裏地のついていない着物、一年のうち6月と9月にだけ着るもの。10月から5月までの間は袷(あわせ)、7、8月は絽や紗、麻などの夏着物。
秋のお茶会ラッシュに向けて、袷の着物を引き出しの奥から出し、風通しをする。
さて今日は告知をさせて頂きます。
毎年10月の半ばに、「銀座アキュイユ」というイベントが開催されることはご存知でしょうか。
そのイベントの1プログラムとして、今年は10月17日(日)に、銀茶会という野点(のだて。野外でお茶を点てるという意。)のお茶会が催されます。
ただお茶をふるまうだけでなく、茶道に関するレクチャーや、体験コーナーが銀座1~8丁目の間の4ヶ所で開かれます。
昨年の様子はこちら。
マロニエ通りのCartier付近で、お手伝いしている予定(他のお茶会と重なる可能性ありなので確実ではないのですが)ですのでお時間のある方は遊びにいらして下さい。
この日は銀座がいつも以上に和装の人々であふれているので、着物を持っているけど着ていくところがない!なんてお悩みの方は、絶好のチャンスです。
また、茶道に興味があるけれど、なかなか機会がなくて…という方にも、気軽に楽しんで頂けるイベントになると思います。
詳細については直接info@wa-gasi.netまで。
月が見えそうで見えない、東京南部の空。
今日の帰り道、急にすずしくなった秋の夜空を、ふと見上げている人が多い気がした。
お花見といい、お月見といい、お酒とおだんごが登場してくる行事は、根強く支持され続けている。
文銭堂本舗の月見饅頭を頂いたので、十五夜について勉強しつつほうばる。柚子風味の黄味餡が風流~。
今日は秋分の日。お彼岸。
山道をドライブしていると、畦道に彼岸花が群生している。
何ともしぶい朱色。
ここのところスイーツ飽和状態にあるので、もち米たっぷりのおはぎを頂く自信がない。
そこで、最も小さなおはぎをがんばって探す。
花園饅頭で発見!2口サイズのプチおはぎ。
茶道千家御用達の花園饅頭さんだからこそ、茶席を意識した小さなおはぎ。
東京の和菓子司はたくさんあれど、花園さんは茶道と関わりの深い別格な存在。
今後ともお世話になり続けるであろう。ごちそうさまでした。
広島に住む友人が手土産を持って遊びに来た。
平安堂梅坪、という中国地方で展開している和菓子司のお菓子だ。
栗と大納言が、ごろり、ごろり、と入っている。
実りの秋の到来にピッタリ。豊かに実った食物たちを慈しむ気にさせてくれる、あたたかい和菓子であった。
和菓子は美しいもの、とも限らない。
つい頬がゆるんでしまうファニーフェイスたちの存在も、忘れてはならない。
特に9月はお月見。「月」と「兎」というキーワードを中心に、かわいいおまんじゅうが勢ぞろい。
その中でも特に気に入ったのが花園饅頭の2種。
花園さんご自慢の大和芋の皮種に包まれた漉し餡。

こちらは中が粒餡。
こちらは銀座清月堂のサツマイモ餡のお饅頭「秋夜のうさぎ」。
羽二重粉を使った外側はもちもちしっとり、サツマイモと白いんげんが調和した、素朴な味わいの餡。スイートポテトを和テイストにした感じなので、とても食べやすい。
躍動感あふれるウサギに、大満足。
そして、鶴屋吉信の「栗まろ」。つい「プッ」と吹き出してしまう、間抜けな栗の絵と年号が、とてもファンシー。しかしお値段は300円強と、ノンファンシー。だって栗が丸ごと入っているのですもの。
どうしようもないミスマッチが、いとおしく感じられる。
いずれも「ただのおまんじゅう」と言わせない、個性に富んだおまんじゅうを四点ピックアップしてみた。

この11、12日、近所で神社のお祭りだ。
下町情緒が息づく我が家の近所は、かなりの盛り上がり。
ふんどし姿の若い衆がお神輿かついで、「ワッショイワッショイ!」「ワッショイワッショイ!」連呼。連呼。連呼。
トランス音楽を聴いているよう。

テキヤさんの並びに、あんず飴発見!
酸っぱさと水あめのヒンヤリ甘味。
大人になっても、ヤメラレナイ。
伊勢丹・鈴懸の栗羊羹と、目黒玉川屋さんの秋栗。
「栗」は「西」に「木」と書いて「クリ」と読む。
西といえば極楽浄土のある方角。栗はお浄土の尊い木、御仏の慈悲の木であると昔から特別に扱われていた。
実りの秋、果樹園ではぶどう狩り、梨狩り、みかん狩りなどで賑わう。しかし、この「栗」だけは狩る、と言わず、「栗ひろい」。
栗はイガに覆われ木になっているが、熟すと自ら口を開いて地面におちてくれる。無理にたたき落としたって、貯蔵がきかずすぐに傷んでしまう。また、栗の木は人の手肌を嫌い、多くの人の手で撫でまわすと実らなくなることもある。
栗の木、それはナイーブで、聖性あふれる恵みの木なのである。
秋だからって、やたらと栗をむさぼっていては御仏さんに叱られるかも。
両口屋是清 「菊の香り」
9月9日は重陽のお節句。
その起源は、古来中国にさかのぼる。奇数は縁起の良い陽の数とされており、一番大きな陽の数である9が重なる9月9日を「重陽」として祝っていた。
この風習が日本では、ちょうど平安時代あたりに宮中行事として定着してくる。
重陽の節句は別名、菊の節句とも呼ばれる。旧暦ではちょうど9月初旬(新暦では10月)が菊の花の盛り。
枕草子や紫式部日記には、お節句の前夜、まだつぼみの菊の花に綿をかぶせて、菊の香りと夜露を染み込ませたもので身体を撫でていた、とのエピソードがある。
菊の花は、別名「齢草」「千代見草」などと言われ、不老長寿の象徴。
アンチエイジングは日本女性の永遠のテーマなのだろうか。。。
菊の夜露が染み込んだ真綿、資生堂あたりで発売したら売れるのかも!?
現代では、重陽のお節句はあまり認知されておらず、9月9日を意識しているのは、よっぽどの和菓子好きくらいのものだろう。
「着せ綿」をした菊を、とても美しく表現なさっていた、両口屋是清さんに感謝。道明寺のもちもち感と、中のつぶ餡とが素朴で美味。
新宿伊勢丹にある、「鈴懸」。
シンプルモダンなショーケースに、おしゃれな売り子さん。
いつも通りがかる度に、気になっていた。
実はこのお店、フードコーディネーターの奥村文絵氏がクリエイティブディレクターとして手がけている、との情報をキャッチ。もともと博多に古くからある和菓子屋さんを、新しい箱に詰め替えて発信している。今話題のリノベーションは和菓子の世界でも繰り広げられていた。
竹で編んである籠が、スタイリッシュ。
ヨーロッパで流行している「ZEN」や「TATAMI」に代表されるモダンジャパニーズ。
籠代400円をプラスすれば、おはぎでも、羊羹でも、最中でも、なんでも詰めてくれる。
きな粉は黒豆をすりつぶしたもの。黒い粉も混ざっている。より香ばしくなって、良い感じ。
なんといっても、きなこおはぎが◎。中のもち米層は薄めで、漉し餡がさらさらなのだ。だから普通のおはぎよりもボリューム感が抑えられ、純粋に餡を楽しめる。漉し餡独特のヒンヤリ感がたまらない。
それと良い意味でコントラストを奏でる、つぶ餡のおはぎも納得の味わい。
リノベーションはスタイルだけにこだわるのではなく、そこに昔いた人、今いる人たちの心を融合させていく、素敵なプロセスなんだ。
鈴懸のおはぎを通して、そう感じた。
「源太」という菓子処がある。
一週間に一種類、予約の入っている数だけしか作らない。
注文は6個から。
ご店主が一週間毎に、暦や、気候を絶妙に和菓子に映し出す。
今週のお菓子は「江戸の紫」。
今週が終われば、少なくとも丸一年、場合によっては二度とお目にかかることができない。
「一期一会」の気持ちで、お菓子に向き合う。
私に語りかけてくる和菓子、語りかけたくなる和菓子、語らい合いの真中に置きたい和菓子。
「源太」のお菓子は、特別、という言葉が安っぽく感じられるほど、私にとって特別なもの。
紫色の錦玉糖。
角度によって、あちらが藤色に透けて見えたり、深淵を覗き込んだかのような紫紺に見えたり。
夏と秋の狭間に、「江戸の粋」もたそがれる。
「美味しいね」
「うん、美味しいね」
今日はwa-gasi.netの原点、とも言える菓子処を紹介させて頂いた。
恒例の葉っぱものシリーズ。
さて、何が隠されているのやら。
秋を代表する果実、柿がごろんとそのまま出てきた。
干し柿を洋酒に漬け、柚子風味の餡が詰めこんである。
最近この干し柿に餡を詰めたお菓子が流行っているようで、源吉兆庵では白餡を、長野の銘菓では栗餡をつめたものがある。
食したことのある方ならお分かりかと思うが、干し柿は、外側のドライフルーツ的食感を噛みしめると、内側から柔らかく熟したペースト状が現れる。それは言わば「柿の餡子」といったところ。
この「万葉乃恵」という和菓子は、この柿の餡子と、小豆を丁寧に漉した餡子とが口中で混ざり合い、その区別は咀嚼と共に、刻一刻と消滅していく。
最後に残るのは、自然の滋味。
実りの秋を満喫するのに、まさに適役。
ここのところ夏風邪で食欲も減退気味、でもこの柿の葉の青い香りは、冴えない頭に光を運んできてくれた。