今日は、風炉最後のお稽古をしてきました。
11月よりいよいよ、炉開きです。
風炉は畳の上に敷板、風炉をのせ、そこに釜をかける。
炉は掘りごたつや囲炉裏のように畳に内蔵されているもの。
寒いお茶室では、炉から洩れ出る炭火の赤い光や、火が起こっていくパチパチという音に、自然と皆の意識が集中してきます。
炉をはじめとして、日本の冬には、すごく趣深い文化がたくさんあると思います。
特にお茶を始めてからそれを実感する機会が多いので、その一つ一つをここで紹介していけたらと思っております。
鶴屋八幡にて、不思議なおしるこを発見。
紙の袋に入ったお汁粉?
「即席しるこ」とあるが、おしるこはできることならば「即席」には味わいたくない。
ゆったり、ほっこり、幸せな気持ちで向かい合いたい。
されど、鶴屋八幡。茶道との関わりも深く、いい加減なものを出すわけがない!
高まる好奇心。
開けてみると小豆色の粗い粉末と、レモン型をしたアラレが、ザララーと出てきた。
お湯を注ぐとこのようなシンプルなおしるこが出来上がり。
お味はしっかり味わい深く、舌触りもなめらか。お湯の量を適度に調整することがコツの様子。あられの香ばしさも相まって、本格的に愉しめるお味だった。
お湯で溶かした後に冷蔵庫で冷やすと、甘味が程よい冷やししるこにもなる。
小豆の汁は、身体を温める効果ありなので、これからの季節のちょっとしたホームスイーツとして取り入れてみよう。
お天気が心配されたが、今日日曜日の懇親茶会は秋晴れのもと行うことができた。
前日には新潟地方を中心に、関東地方にも、大きな地震があったので、なんとなくお道具が心配。
様々な不意のアクシデント(天候、お道具損じなど)を想定し、何が起ころうとも平然と対応できる準備をしておくことは、茶道の大切な教え。
しかし、震度5の地震まで想定する人は、いかに茶人とは言え少ないだろう。
茶会当日は、大先生のご指示により、柱に掛けるはずだった花入をとりやめて、床の間に置き付けるものになった。
濃茶席に掛けられたお軸は「日々是好日」。(禅語としてはヒビコレコウジツ、と読むが茶道ではニチニチコレコウニチ、と読む。)
とても有名な禅語。毎日毎日が楽しいよね!という意味ではなく、いかなる日をも、すばらしい
日とするために努力を怠るな、という大変厳しい教えだそう。
お菓子は鶴屋八幡の「菊きんとん」。
きんとんの中でも、鶴屋八幡の玉子餡きんとんは格別。
これはまさに茶席のための和菓子。
だって、だって、この切り口の美しさときたら!
薄茶席では、
「紅葉貴花 秋景寛(ひろし)」というお掛け物(掛軸)が迎えてくれる。
このお席では、茶杓、お茶碗ともに、御銘が「雲錦」。
桜と紅葉とが一緒に描かれているもののことを「雲錦(うんきん)」と言い、春、秋ともに彩り豊かな美しい季節を愛でる意がある。
こちらは銀杏のお菓子。中には栗餡。
台風や、揺れに、心が不安になる毎日だが、「日々是好日」の気持ちで歩んでいきたい。
ハロウィン。極めて日本文化との結びつきの薄い季節行事。
でも、その年に収穫できた作物たちに感謝をしてみんなでお祝いをする、という発想は、日本における「秋祭り」と通じる部分が多い。
大きく実ったかぼちゃをくり抜いて、ランプを作ったり、お菓子を作ったり。
いいではないか、ハロウィン。
キリスト教とはご縁のない私にとって、クリスマスよりずっと意味深く思える。
さて、そういう寛大さをもってしてか、広尾・正庵ではこの「ハロウィン饅頭」を出している。今のところここ以外でハロウィンを絡めた和菓子を見たことはない。さすが現代都会派和菓子屋、正庵。
かぼちゃ餡が、ほっくり、温かな甘さ。
ひまわりの種が頭にささっている。
畑の恵みを感じさせてくれる、幸せなお饅頭。
みんなで集まって、笑ったり、美味しいものを頂いたり。そんなイベントはいっぱいあるにこしたことはない。
さぁ、今年10月最後の日曜日は、みんなで集まって “ Trick or Treat !! ”
加賀の銘菓を知人より頂く。やわらかい羽二重餅に友禅染の微妙かつダイナミックな色合いが施されている。
そしてこれでもかと散りばめられる、金箔。
華やかきことは、すばらしきかな。お気に入りです。
おかげさまで茶道体験コーナー大盛況でした。
わざわざのぞきに来て下さった方々、どうもありがとうございました。
写真が今回のお菓子でした。銀座菊乃舎の冨貴寄(ふきよせ)、素朴な「ぼうろ」のようなお味が好評だった様子。
銀座という土地柄のせいか、素敵に着物を着こなしている年配の女性がとても多くいらして、教えるどころか、こちらが勉強になった一日でした。
太陽に向かって
Say Hello !!
京料理・菊乃井のデザートだけ扱うお店が、期間限定で渋谷に登場。
お濃茶のクリームムースやお抹茶パフェなどなど、女子の心を魅了するおデザばかり。
今日は久々の晴れたお天気、屋上にテーブルと椅子をならべてティータイム。
「豆乳プリンの緑豆あん」は、とろとろの豆乳プリンの上にアジアンスイーツでお馴染みの緑豆と、ドライフルーツ、松の実が散りばめられていて、キラキラしている。
緑豆は、小豆よりもあっさり、皮もやわらかく、アジアの国々では小豆と同じくらいオーソドックスな食材。タイで初めて口にして以来、アジア諸国を訪れる度に、この緑豆を買い溜めするほど好き。(日本で買うとわりと高いので)
そんなエスニック食材を、赤坂の料亭がデザートとして出していることに驚き。
すっかり和テイストな食材になりきっている緑豆が感激だった。
秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花
(山上憶良 『万葉集・巻八』)
この2首の歌が由来とされている、秋の七草。
萩、尾花、葛、撫子、女郎花、藤袴、桔梗。秋の野に息づくかわいらしい花々。
その一つである女郎花(おみなえし)は一つの茎に霞のように小さな黄色い花が集まっている。
巾着の包みも、またかわいい。そこらの公園にも時々咲いていることがあるので、探してみられたし。実物を見ると、このお菓子の作りの巧みさがわかるはず。
同じく鼓月の「実りの秋」とあわせて。
こちらは栗入りの蒸羊羹に粟(あわ)の入った外郎が合わさった10月限定のお菓子。
粟がもちもち、プチプチしていて、幸せな食感。
10月に入り気温がぐっと下がり、茶道ではいよいよ炉の季節が近づいてきている。
10月中は中置といって、風炉(5月~9月の間)から炉(11月~4月まで)への、切り替わりの一ヶ月である。お釜を置く位置が変わってくるのでそれに伴い、扱う道具やお点前も少し変わる。
さて、次第に外気の温度が下がっていくにつれて、「湯気」が目立つようになる。
釜の蓋を開ける度、柄杓からお茶碗に湯が注がれる度、ふわりとたちのぼる湯気は、見ているものの心を温めてくれる。
また、お湯が煮えてくると聞こえてくる、シュンシュンシュンシュン、という音。
炭火で釜の湯を煮えさせているからこそ楽しむことができる、音のごちそう。
この風情ある音のことを「松風」と呼び、秋から冬にかけての茶席では、お茶がたつまでの間、このすばらしいごちそうに耳をすます。
今日のお稽古中、「松風に心温まる季節になってきたわね。」と大先生がおっしゃったことからヒントを得て、帰り道に京都の料亭・菊乃井のお店で見つけたこちら。
松風は京都の伝統和菓子、これを柚子味噌、赤味噌を練りこんで独自のアレンジを施した、「和のフィナンシェ」風。
味噌特有の、円熟した穀物の香りがさりげなくたたずむ、京都風な洋菓子。
フィナンシェの生地が、口に入れると、しっとりと馴染んでとけていく。
虎屋の上生菓子について。
虎屋といえば、羊羹一棹三千円とか、値段ばかり気になるのは私だけだろうか。
ネームバリュー本位なのでは、とこれまで少し敬遠してきた存在だった。
しかしある時、一茶道仲間のおもてなしで頂いてみた薯蕷饅頭は、甘さひかえめで、大納言のコクが生かされた、それはそれは麗しい味であった。
王道をいく潔いまでの決心、それは多角経営に向けられたものというより、むしろ「美味」という曖昧な価値を、永続的に味方につけていくことができる、という自信。
まさにキングオブキングス アンド ロードオブザロード。
というわけで、秋の上生菓子を二つご紹介。
手前が「栗粉餅」。裏漉した栗と白餡を混ぜたそぼろを、極薄の求肥で包んである餡につけたもの。
奥が「栗鹿の子」。鹿の子は、鹿の子斑(鹿の背の白い斑紋)に見立てて、甘く煮た栗が、栗の漉し餡を包んでいる。
きんとんは、そぼろがポロポロ崩れやすいので、細い取り箸の先を水で湿らせて取るとよい、そんな説明書きまで入っている、ご丁寧さ。
虎屋菓寮では、10月いっぱい栗ご飯がいただけるとのこと、ぜひレポートしてきたいと思う。