福井勝山市の銘菓、羽二重くるみ。
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ぎゅうひが二層になっていて、それを挟むように、シュー皮のような食感の生地が三層になっている。
小さなくるみがやわらかーい食感の間で、コロコロっと舌にあたる。
絶妙で、目からウロコ、顔にはえくぼ。
こんなおいしいお菓子に出会えたことを、とてもうれしく思う。
新年明けましておめでとうございます。
本年も皆様の健やかなることをお祈り申し上げます。
この、はなびら餅は、菱葩、宮中雑煮とも呼ばれ、春の初め、百花に先駆けて咲く梅の花の清らかさ、ゆかしさにあやかり、それをかたどったものです。
平安時代、宮中の「歯固め」の儀式に、大根、押鮎、餅鏡に作られた「菱葩」が、江戸時代に鮎が牛蒡に変わり、正月の祝膳の品目の一つとなっているものに由来しています。
この慣例が、明治時代から民間へ流れ、茶道の新年の初釜の懐石に使用されています。
滋味あふれる牛蒡と白餡(ときには味噌餡)をふわり包むように、桃色の羽二重餅、白色の羽二重餅が重なっています。
ああ、雅な初春です。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
毎夏恒例の花月研究会。今年のお菓子はピリッと辛いこちら。
ふわふわぎゅうひの中に隠れているのは、わさび餡。
シャリッと食感が面白い、珍品です。
暑い夏、ピリッと気をひきしめてお稽古に励みなさい!とのメッセージが込められています。
結構な辛さですが、とってもおいしいと好評でした。
そしてお昼のお弁当はこちらも恒例、大泉「うな徳」さんのうな重。
鰻…あぁ、うなぎ。LOVEうなぎ…。和菓子より好きかも…おウナ。
美味しい鰻ドコロ情報を下さい。
西麻布にある昇月堂、夏の風物詩。
あんみつ羊かん一枚流しって、少し無茶な発想が気に入ってます。
大きな栗の甘露煮とやわらかな求肥、プリプリ寒天に大納言。
付属の木のへらで掬って頂くのは、とっても幸せです。
冷え冷えにして召し上がれ!
和菓子から離れたエントリーが続きます、あしからず。
冷蔵庫に眠っていたロゼのスパークリングを、マンゴーのお相手に選んでみました。
マンゴーは、少しクセのあるロゼスパークリングにも負けないジューシーさ。
最終的にフルーツポンチ。ちょっと適量オーバー…
今月末のお茶会で使う主菓子、試作版。
ほんものの葛。そして枝豆の餡。
あまりにも繊細、冷蔵庫で冷やすのはお客様の口に入る30分前、と決まっている。
それ以上だと、白く、硬くなってしまうので、大寄せの茶会ではとても使えない。
それにしても、美しく、そして美味しく。
枝豆というと東北地方のずんだを思い浮かべるかと思いますが、これがかなり違う。
念入りに枝豆を漉しているので、食感がとてもなめらかでさらりとしている。ずんだの素朴で気取らない味わいも大好きだが、上生菓子におめかしをした枝豆ちゃんもいとおしい。
作ってくださった鶴屋八幡さんの上役の方をもってしても、「これは美味い!」と唸らせた大成功試作品です。
静岡産の新茶を使った柔らかな薯蕷(じょうよ)皮でこしあんを包む…
オツです。
お新茶の香りがたまりませんのっ!
花園さん独特のきめこまやかなこしあんに溶けこむ、そのふわっと、でも力強いフレッシュな香り。
少し冷やしていただくと、またよいですよ~
6月15日までの限定です。
うす紅色の和紙に包まれた、鼓月の季節菓子「にほひ花」。
特に桃の節句用お菓子ではないのですが、包み紙がお雛さまにみたてて飾れそうだったので頂いてみました。
わらび餅とくずのちょうど中間、さらりとした食感がはかなげ。
ほんのり梅の風味と、大納言が、淡い春の味わい。
弥生月です。
新しい息吹があちらこちらで感じられる春。
近所の和菓子司のご主人の話では、桃のお節句前後の3月は、一年のうちで一番華やかでいいお菓子がでる季節、とのこと。
力をいれて、華やかな和菓子たちをとりあげていこうと思います。
季節を楽しむお供に、和の甘味を。
朝、外に出ると、屋根には薄く雪が積もっていました。
まだまだ寒い日が続きますが、もう少ししたら新しい芽がひょっこり地面に出てくるのでしょうね。
この下萌(したもえ)は百合根餡とつぶ餡とで作られた練りきり。
緑の芽吹きが力強く表現されていて、目に、舌に、おいしい上生です。
実はたねやさんの上生菓子は初めて。
素材にも工夫をこらして、しっかりきっちり。
ひとつひとつの上生菓子の説明書きのしおりもあって、さすがアカウンタビリティを意識した現代的和菓子屋さん。
2月も下旬に入り、いよいよ梅の季節です。
梅は花の中で一番先に咲くということで、「花の兄」とも呼ばれます。
静閑院のこちらのお菓子は、まさに梅干。しそをまぶしたものを添えて頂くのです。
すっぱさは皆無ですが、おいしい白餡のお菓子です。
きんつば。
和菓子を語る上で、基本中の基本。
江戸~明治期にかけての庶民の甘味としてよく文学作品などにも登場してくるのが、大福、桜餅、かりんとう、最中、外郎、そして夏目漱石「ぼっちゃん」にも登場してくる金鍔です。
原材料 大納言、氷砂糖、寒天、食塩、小麦粉 以上。
お茶席にはめったに登場しないため、いろんなところを食べ歩きした、とは言えませんが。
麹町の一元屋、ここのは大きすぎず、甘さがとても控えめ、大納言がほんっとに大きくて食感もまた◎。
大納言に美しく霞を懸ける小麦粉のベール。見た目にもそそられます。
お茶席仕様。
きんつばは江戸の甘味。お品よく、よりも手でサクッと割って食べるのが一番です。
だって、ほら、手で割ると、大納言が立ってますから!
一つ上の写真よりずっとおいしそうでしょう?
6個入りで800円くらい。渋~いお番茶と召し上がれ。

寒くて和菓子めぐりも滞る今日この頃。
親戚のおじさんがついたよもぎ餅を焼いてみる。
杵でよくついているので、きめが細かく、なめらかな伸びのいいお餅。
よもぎの苦味、青々とした香りは、豆特有のアク感が生かされた粒餡とベストマッチ。
冷えた身体に染みわたる、スウィートな時間を過ごす。

うおがし銘茶の大福茶を淹れて。
1月もそろそろ終わり、この寒椿の急須も使い納め。
都立大駅近く、目黒通り沿いにある「ちもと」。
竹をあしらった店構えがグッとくる、素敵な和菓子屋さん。
ここの名物菓子、八雲もち。
竹の皮をぱらりとあけてみると。
餅にして餅にあらず。普通に想像する餅よりも、5倍やわらかい。
ふわふわ羽二重餅に黒糖の甘み、カシューナッツの食感。言わずと知れた、大人気和菓子。
日保ちは5日。だからこそ生き生きしたおいしさがある。
飴と言っても、口に入れてしばらくなめ続ける飴ではない。
口に入れ、水分と温度を含むと、ホロッとくずれる。有平糖(ありへいとう)を使ったお菓子。
亀屋萬年堂さんの飴菓子は格別。東京での大寄せ茶会では、よく見かける。

今年のおせちはひと味違います。
それは栗きんとん。
通常は、さつま芋をくちなしの実と一緒に茹でて、裏漉しにしたところに栗の甘露煮を。
今年は、さつま芋のかわりに、山芋を使って作りました。
さつま芋の餡は甘くておいしいのですが、少しもったり重たい。ところが山芋餡はふわふわとねっとりが合わさった食感で、しかも山芋自体の甘みが少ないので、好みにあわせてあっさり仕上げることができます。
白い山芋をくちなしの実で黄金色に染めて、茶巾しぼりにしました。栗の甘露煮は市販のもので。艶やかな黒豆、柔らかすぎない方が好き。
以上、あたかも自分が作ったかのように書きましたが、全て母上のご尽力によるものです。多謝ー。
無類のお赤飯好き。
おめでたいこと、何もなくても、お赤飯。
通常「ささげ」という小豆よりすこし小ぶりな豆を使うものだが、いつも我が家は大納言。
そして最近は母の考案した、うずら豆赤飯が我が家でブーム。
お豆がおどろきの大きさ。その分しっかり豆の食感とコクと甘みが味わえるから豆好きにはたまらない。お正月らしく栗の甘露煮を添えてみた。
さて、こちらは我が家のお正月の大定番、かぶなます。
祖母のつくるこのなます、昆布、人参、柚子がたっぷり入っていて、薄くスライスされたかぶとの食感が絶妙。
これなしには年も越せません。
甘いお年賀菓子を頂いたあと、口直しにこれが最高なんですよ!
百合根 YURINE
お正月料理によく使われる高級食材。
オニユリ、コオニユリ、ヤマユリの球根。
球根が、たくさんの燐片が重なり合って形を成していることから、「百合」の字があてられた。
百合根は3年近くかけてじっくりと育つ。そのため、栄養がしっかり蓄えられており、滋養強壮効果、漢方薬としても利尿や咳止めの薬用効果が認められている。
生産シェアのほとんどが北海道で、柔らかく傷つきやすい食材のため、おが屑に包まれて運搬される。
ほんのり甘くクセのない味、そして少し粘り気のある柔らかな食感は、茶碗蒸しに入れたり、スープやあんかけなどで食べられている。
11月中旬から1月にかけて市場に出回る。
この旬の食材を、新橋・文銭堂本舗では丁寧に裏漉しし、百合根自体の甘味を生かすため、砂糖の分量を控えめにして、きんとんにしている。
きんとんの上部には、写真ではわかりにくいが、ほのかに赤みがかった色がのせられておりとても気品ある佇まい。
デパ地下の有名和菓子屋さんにはない、オリジナリティ溢れる上生菓子。
こういう出会いがあるからこそ、街の小さな和菓子屋さんってすばらしいな、と思う。
椿餅は日本最古の餅菓子の一つ。
二千円札に描かれている平安時代の美女、紫式部によって書かれた古典文学『源氏物語』の中に登場する数少ないお菓子。
若菜の巻上に、若い人々が蹴鞠で遊んだ後に、梨や柑橘類の果物と一緒に、この「つばいもちひ」を食べる場面がある。
2月の季節菓子として、茶席によく登場するもの。
少し時期が早いが、ここのところ急に気温が下がり冬モードなので、12月最初のエントリーとして銀座菊乃舎の椿餅をとりあげる。
椿は炉の季節の茶席に、最も多くかざられる花の一つ。
椿の花のはかない美しさはもちろん、椿の葉っぱは寒い外気にさらされながら栄養を蓄えるため、表面が非常に硬く、光沢があり、葉っぱだけでも絵になるほど美しい。
これを生かして、餡を包んだ道明寺糒の上下を2枚の葉で包む。
桜餅とは異なり、葉の香りはほとんどないため、味わいはいたってシンプル。
味わいながら、冬の到来を実感。
仕事帰りに最寄駅の駅ビルへ、ほうじ茶とスイートポテトを買いに行く。
ふと隣のおだんごやさんに目をやると、とってもオータムなお団子が!
追分だんご本舗、ご存知だろうか。
デパ地下からショッピングモールの食品フロアから、いっぱいいっぱい出店しているおだんごやさん。
季節ものの好きな私は、大した関心を抱くことなくいつも通り過ぎていた。
そんな石頭の私を鼻で笑うような、このエスプリ?の効いたお団子。
手前は、栗餡がはいっている。真っ赤な紅葉がすごくきれいに映える。
奥の方の柿団子の中身は、柿の果肉を白餡と練り合わせたやさしい味。
一本とられた~!
朝夕ととても冷えるようになってきた。
虎屋の、白小豆ぜんざい(レトルトパック)を頂く。
小豆より淡白な白小豆、あくが少ないため、豆特有のあくが全く無い。
さらりとほっこり。幸せに暖をとる。
今の時期、ブティックやセレクトショップにぶらり立ち寄ると、すぐに気付く。
今年の流行色はpurple。
赤と青の中間色である紫、最も高貴な位という意味を持つ紫、美しい紅葉風景の一片である紫。。。
伝統的日本文化において、多くの意味を有している紫色が、現代ファッションシーンにおいて新しい色付けや塗り替えをされ、多様化している。
それにしても、この鮮やかな流行色に和菓子屋さんで出会えるとは意外だった。
ふるや古賀音庵の紫芋大福。
着色料は一切!使用されていない。天然の紫色。
紫芋パウダーで覆い尽くされた大福の表面は、さながらビロード生地のようでうっとりする。
味わってみると、紫芋の、根菜らしい甘い香りがする。
秋の楽しみがぎっしり詰まったお菓子だった。
鶴屋八幡にて、不思議なおしるこを発見。
紙の袋に入ったお汁粉?
「即席しるこ」とあるが、おしるこはできることならば「即席」には味わいたくない。
ゆったり、ほっこり、幸せな気持ちで向かい合いたい。
されど、鶴屋八幡。茶道との関わりも深く、いい加減なものを出すわけがない!
高まる好奇心。
開けてみると小豆色の粗い粉末と、レモン型をしたアラレが、ザララーと出てきた。
お湯を注ぐとこのようなシンプルなおしるこが出来上がり。
お味はしっかり味わい深く、舌触りもなめらか。お湯の量を適度に調整することがコツの様子。あられの香ばしさも相まって、本格的に愉しめるお味だった。
お湯で溶かした後に冷蔵庫で冷やすと、甘味が程よい冷やししるこにもなる。
小豆の汁は、身体を温める効果ありなので、これからの季節のちょっとしたホームスイーツとして取り入れてみよう。
秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花
(山上憶良 『万葉集・巻八』)
この2首の歌が由来とされている、秋の七草。
萩、尾花、葛、撫子、女郎花、藤袴、桔梗。秋の野に息づくかわいらしい花々。
その一つである女郎花(おみなえし)は一つの茎に霞のように小さな黄色い花が集まっている。
巾着の包みも、またかわいい。そこらの公園にも時々咲いていることがあるので、探してみられたし。実物を見ると、このお菓子の作りの巧みさがわかるはず。
同じく鼓月の「実りの秋」とあわせて。
こちらは栗入りの蒸羊羹に粟(あわ)の入った外郎が合わさった10月限定のお菓子。
粟がもちもち、プチプチしていて、幸せな食感。
虎屋の上生菓子について。
虎屋といえば、羊羹一棹三千円とか、値段ばかり気になるのは私だけだろうか。
ネームバリュー本位なのでは、とこれまで少し敬遠してきた存在だった。
しかしある時、一茶道仲間のおもてなしで頂いてみた薯蕷饅頭は、甘さひかえめで、大納言のコクが生かされた、それはそれは麗しい味であった。
王道をいく潔いまでの決心、それは多角経営に向けられたものというより、むしろ「美味」という曖昧な価値を、永続的に味方につけていくことができる、という自信。
まさにキングオブキングス アンド ロードオブザロード。
というわけで、秋の上生菓子を二つご紹介。
手前が「栗粉餅」。裏漉した栗と白餡を混ぜたそぼろを、極薄の求肥で包んである餡につけたもの。
奥が「栗鹿の子」。鹿の子は、鹿の子斑(鹿の背の白い斑紋)に見立てて、甘く煮た栗が、栗の漉し餡を包んでいる。
きんとんは、そぼろがポロポロ崩れやすいので、細い取り箸の先を水で湿らせて取るとよい、そんな説明書きまで入っている、ご丁寧さ。
虎屋菓寮では、10月いっぱい栗ご飯がいただけるとのこと、ぜひレポートしてきたいと思う。
今日は秋分の日。お彼岸。
山道をドライブしていると、畦道に彼岸花が群生している。
何ともしぶい朱色。
ここのところスイーツ飽和状態にあるので、もち米たっぷりのおはぎを頂く自信がない。
そこで、最も小さなおはぎをがんばって探す。
花園饅頭で発見!2口サイズのプチおはぎ。
茶道千家御用達の花園饅頭さんだからこそ、茶席を意識した小さなおはぎ。
東京の和菓子司はたくさんあれど、花園さんは茶道と関わりの深い別格な存在。
今後ともお世話になり続けるであろう。ごちそうさまでした。
和菓子は美しいもの、とも限らない。
つい頬がゆるんでしまうファニーフェイスたちの存在も、忘れてはならない。
特に9月はお月見。「月」と「兎」というキーワードを中心に、かわいいおまんじゅうが勢ぞろい。
その中でも特に気に入ったのが花園饅頭の2種。
花園さんご自慢の大和芋の皮種に包まれた漉し餡。

こちらは中が粒餡。
こちらは銀座清月堂のサツマイモ餡のお饅頭「秋夜のうさぎ」。
羽二重粉を使った外側はもちもちしっとり、サツマイモと白いんげんが調和した、素朴な味わいの餡。スイートポテトを和テイストにした感じなので、とても食べやすい。
躍動感あふれるウサギに、大満足。
そして、鶴屋吉信の「栗まろ」。つい「プッ」と吹き出してしまう、間抜けな栗の絵と年号が、とてもファンシー。しかしお値段は300円強と、ノンファンシー。だって栗が丸ごと入っているのですもの。
どうしようもないミスマッチが、いとおしく感じられる。
いずれも「ただのおまんじゅう」と言わせない、個性に富んだおまんじゅうを四点ピックアップしてみた。
伊勢丹・鈴懸の栗羊羹と、目黒玉川屋さんの秋栗。
「栗」は「西」に「木」と書いて「クリ」と読む。
西といえば極楽浄土のある方角。栗はお浄土の尊い木、御仏の慈悲の木であると昔から特別に扱われていた。
実りの秋、果樹園ではぶどう狩り、梨狩り、みかん狩りなどで賑わう。しかし、この「栗」だけは狩る、と言わず、「栗ひろい」。
栗はイガに覆われ木になっているが、熟すと自ら口を開いて地面におちてくれる。無理にたたき落としたって、貯蔵がきかずすぐに傷んでしまう。また、栗の木は人の手肌を嫌い、多くの人の手で撫でまわすと実らなくなることもある。
栗の木、それはナイーブで、聖性あふれる恵みの木なのである。
秋だからって、やたらと栗をむさぼっていては御仏さんに叱られるかも。
「源太」という菓子処がある。
一週間に一種類、予約の入っている数だけしか作らない。
注文は6個から。
ご店主が一週間毎に、暦や、気候を絶妙に和菓子に映し出す。
今週のお菓子は「江戸の紫」。
今週が終われば、少なくとも丸一年、場合によっては二度とお目にかかることができない。
「一期一会」の気持ちで、お菓子に向き合う。
私に語りかけてくる和菓子、語りかけたくなる和菓子、語らい合いの真中に置きたい和菓子。
「源太」のお菓子は、特別、という言葉が安っぽく感じられるほど、私にとって特別なもの。
紫色の錦玉糖。
角度によって、あちらが藤色に透けて見えたり、深淵を覗き込んだかのような紫紺に見えたり。
夏と秋の狭間に、「江戸の粋」もたそがれる。
「美味しいね」
「うん、美味しいね」
今日はwa-gasi.netの原点、とも言える菓子処を紹介させて頂いた。
秋の訪れを水引の花で表現した繊細な上生。
「ミズヒキ」という花をご存知だろうか。
タデ科の植物で、とっても小さな花が穂にプチプチついている。
このお花の名前の由来は、この「ミズヒキ」の花が上から見ると赤色で、下から見ると白色なので紅白の水引に似ていることから。
上野の東京国立博物館にて開かれている、万国博覧会の美術展へ行ってきた。
一つ一つ、恐ろしいほど価値の高い名品たちが、ゴロゴロと展示されている。
「世界の名品と呼ばれるもの」というただ一つの理由で集まってきているので、展示にストーリー性、まとまり感があまりない。
こういう展覧会での楽しみ方は、とにかく自分のお気に入りを探す!
これだけいっぱいある中で、どれか一つもらえるならどれがいい?と勝手に設定して物色する。壷に蟹がからみついている、珍妙な一品が気に入った。
こうして、美術館、音楽会等でしばしば立ち寄る上野。
そんな時は必ず、岡埜栄泉をのぞく。
ここの豆大福は言わずと知れた人気者!
でも今日はあえて、よもぎ大福とずんだ大福。ずんだは季節限定品。
ずんだ、うまうま。甘味を極力おさえてある。
たぶん、大福はかぶりつくのがよいのだろう。
なりふりかまわず。
でも一口大に切り分ければ、来客の時にも出すことができる。
来客に無用な気を使わせないのが、もてなしの心。
お盆休み。心も体もスローな気分。
こんな時にはプロの和菓子より、素朴な手作り食がいい。
お赤飯。
お盆にちなんで、蓮の葉に盛り付けてみる。
仏教の思想において、蓮の葉は「浄土」の世界を象徴する植物。
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」で、仏様が蓮池の葉っぱの間から地獄の様子を眺め、救いの糸を垂らすという話、ご存知の方も多いのでは。
茶の世界でも、故人を偲ぶお茶事にて、蓮の葉を器とする趣向が時々用いられることもある。「浄土飯」と呼び、白飯や向附(西洋式コースにおける前菜)が盛り付けられる。
南瓜と小豆のいとこ煮。
おぜんざい。
北海道産の大納言、香川県産の和三盆糖をゆっくり煮て、仕上げに広島県蒲刈島の藻塩をひとつまみ。
甘さに、大地の慈味がある。
明日からの通常モードに備えて、ゆったり味わおう。
笹れんこんについて書いていたら、やはりどうしても会いたくなった和久傳の「西湖」。
夏の風物詩。
松屋銀座、なんだかんだこのデパートに入り浸ってしまう理由の一つが、和久傳の存在である。京都大徳寺本店の雰囲気を感じられるのは、店員さんがみな京都弁だからだろうか。
包装紙には、宋の周敦頤が花の君子なる者也と詠った「愛蓮説」が記されている(しおりより抜粋)。蓮、ロータス、おぉかくも非現実的、神秘なる美かな。
ね、開けた瞬間からテンション↑でしょう。これは普通の紙箱だが、少しお高い進物用木箱もあるらしい。木箱なら、きっともっと↑。
あまり冷蔵庫に入れすぎるのは禁物。2時間くらい冷やすのが、一番よい。
形容するならば、「蓮粉と和三盆の絡み合う甘み」「ごく上質で滑らかな舌触り」「蓮独特のねばりを生かした食感」。この3点がまず思い浮かぶ。
わかりやすく言うと、鎌倉「こ寿々」や、京都「月ヶ瀬」で作られる最高級わらび餅、この食感+黒糖に似たお味。
和菓子はたいらげた後も、美しい。
このように植物の葉をつかった和菓子が出てきたら、適当に折りたたんだ葉を茎で刺し、即席楊枝置きを作る。茶道のお仲間とお食事をしながら、見て学んだこと。
立派な日本料理や和菓子は、時に残酷なまでに、享受する者のこれまでの経験と教養を試してくる。
それを面倒くさいマナーと割り切ってしまってはつまらないので、「素敵な生活術」として一つ一つ学んで行きたいものだ。
蓮の凛とした清涼感は、なんとも言えない。
そしてその蓮の粉、葛、和三盆糖を使って創られた水菓子。
蓮の粉を使った元祖と言えば、京都紫野 和久傳の「西湖」。
こちらの笹れんこんは、それにアレンジを加えたもの。
松の葉のような楊枝が、気が利いてる。
ツルっ、サラっ、と口に溶け込む、その前に、ほんのり塩気の大納言が現れる。
ここで咀嚼を余儀なくされることで、かえって蓮粉の滋味をゆっくり落ち着いて味わうことができる。
水菓子とは言え、冷たさ、口溶けだけではもの足りない、こだわり派の方におすすめ。
広尾と歌舞伎座、松屋銀座にあるこちら、正庵。
朝の奥様番組でこちらの「あんず大福」がクローズアップされ、大人気とのこと。
お店をのぞいてみると、和と洋をうまく組み合わせた創作菓子が並ぶ。
クリームチーズの浮島だとか、キウイ羊羹だとか。
斬新なアイディアに警戒しつつ、いろいろと試してみた。
その中でもこの黒豆むしようかんは、正統派、だけど普通の蒸し羊羹とは違う。
食感が、ショコラフォンダンのよう。
こっくりした濃厚なショコラ、ではなく黒豆の風味がよい。
黒豆の「重さ」をとり除くのではなく、あえて強調したことが、和洋折衷菓子として成功している感を受けた。
友人家族が山梨へ桃狩りに。翌日おこぼれ頂戴しに、お宅へおじゃまする。
とても大玉で、甘美な香りが零れ出る。
桃は柔らかい=甘い、と思っていたが、この一宮の桃は歯応えもしっかりある。
これを噛み締めると、著しい甘味、すこぶる高い香気。
程なくして、夕張から届いた完熟のメロンまで出して頂く。
こちらはホロホロに柔らかな口溶け、まさに高級果物の名を語るに値する。
果実でお腹を満たすとは、なんと贅沢なもてなしであろうか。
素晴らしいご馳走をもたらしてくれたこちらの家族、本当に美食一家である。
ここでいう美食は、貴族的なものではない。食に関心がある、という意。
「食に関心がある」なんて、当たり前のようだけれど、自信を持って「食」を語れる人は意外に少ないのでは?
先ずは季節の食材を知ることから始めよう(自戒も含めて)。
職場の近くにある和菓子屋さん。
お店に入るとすぐにお茶を一服淹れて下さる。
試食もどんどん勧められる。
気立ての良いおばちゃまたちが、にこにこ話かけてくる。
ありそうでない、サービスの良い和菓子屋さん。つい仕事帰りに立ち寄ってしまう。
練りきり菓子、あさがお。朝露が一滴、きらきらしている。
御銘は「夏木立」だったかな。外側は寒天、寒天の内側に粗目砂糖がついていて、サクサク食感がおもしろい。中間層に青紅葉がうかぶ。餡は、白小豆の漉したのと、やわらかく蒸してあるうぐいす豆がころころ3粒ほど。
独自の工夫が生きている、手作り和菓子であった。
暑さ本番。
巷で「究極」とまで評されている、東京墨田区の越後屋若狭「水ようかん」。
池袋西武にて週に一回、土曜日に予約販売のみ受け付けている。
一折2800円という値段に、これまで手が出なかったが、知人宅訪問の手土産として、とうとう予約するに至った。
差し上げる相手が気心のしれた知人なので、厚かましくも、当然自分もご相伴にあずかる気満々で持っていく。
冷え冷えの包みを開けてみると、ごく薄い経木が敷かれており、その下に桜の葉がしっとりと浮かばせてある。
ふるふる、容器を傾けただけでようかんも伴ってくる。
少し触っただけでも崩れてしまいそうな。おそるおそるお皿にあけてみる。
お匙で頂く。口に入れた瞬間にさらさらと喉元に吸い込まれていく。
「いったいこれは何もの?」
一緒に食べていた知人家族一同で、顔を見